神経根症による膝痛

神経根性膝痛は、神経根が圧迫や刺激を受けることによって引き起こされる膝の痛みです。通常、脊髄から分岐する神経根が椎間板ヘルニアや骨棘によって圧迫されることで発生します。この圧迫が膝に関連する神経に影響を及ぼすため、膝に痛みやしびれ、筋力低下を引き起こすことがあります。神経根性の膝痛は、単なる膝の障害ではなく、脊椎や神経の問題が根本原因となることが多いです。

神経根性膝痛の特徴には、膝周辺の痛みのほか、臀部や太もも、ふくらはぎに放散する痛みがあります。痛みは通常、動作や姿勢によって悪化し、しびれ感や感覚の鈍麻を伴うことがあります。また、運動時に特定の姿勢（たとえば前屈や横向きの姿勢）をとると痛みが増すことがあります。膝の可動域が制限され、日常生活に影響を与えることが多いです。

神経根性膝痛の主な原因は、脊椎の異常に起因します。具体的には、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、退行性変性疾患などが挙げられます。これらの状態が神経根を圧迫し、痛みを引き起こします。また、姿勢不良や長時間の座位作業、スポーツによる負担もリスク要因となります。加齢に伴う変化も重要な要因です。

 西洋医学では、神経根性膝痛の診断は病歴の聴取と身体検査から始まります。神経学的検査を通じて、感覚や筋力の変化を確認します。特に、特定の神経根が影響を受けているかどうかを評価するためのテスト（例：シラッグテスト）も行われます。必要に応じてMRIやCTスキャンで脊椎の状態を確認し、神経根の圧迫の有無を診断します。